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座 禅 猫

座 禅 猫

風にのるしるし(6年前半)

06年1月から5月(06年1月)  


冬暖か   1月


ミサ始め聖母に捧ぐ甘き香 (1日 神の母聖マリア)

二日よりスクールバスを見送りぬ (2日)

お降りや猫も窓辺に物思う (3日)

お人好しが裏目に出ては日なたぼこ (4日)

今日晴れて気付けば夫は年男 (6日)

凍てる道知れば危うき一歩かな (7日)

日脚やや伸びて聖樹を納める日 (9日)

学生の目に冬草は止まらず

走りたくなる衝動よ冬暖か

今日のうち食べるだけ食べ寒雀

送られるチョコほろ苦しすまなくて (11日)

父融通利かず傾くオリオン座 (28日)

最終段手前につきる毛糸かな (29日)

屋根叩く雨は優しき冬の朝 (30日)

冬猫の退屈しのぎと人動く (30日)

肩越しにお仕事拝見冬の猫 (30日)

満願や雁つごもりの空を行く (31日)

鍵盤叩けど追いつかず雪もないのに (31日)

水鳥一羽首すくと立て北睨む (31日)


右近の撫子   2月

形見とも見よと残せる撫子の香り気高し今日南坊忌 (3日)

寒雷の裂く空の色右左 (16日)

窓を開ければ頬が知る氷点下 (18日)

黒猫や背に集めたる冬日差し (20日)

風に髪取られてすくむ浅き春 (25日)

淡海の風道行に落とす雪 (27日)

いやみ面当てかわして今日の二月尽 (28日)



いずれ吹かれて   3月


灰と帰すいずれ吹かれて空の色 (灰の水曜日 1日)

ミサ知らす鐘や飛び立つ春の鳥 (5日)

つらら食むりすに優しき陽が注ぐ (6日)

ひとかけのパンの甘さや四旬節 (7日)

春分の日の野に放つ羊かな (21日)

融けてゆく淡雪珠を繰る無心 (ロザリオ 24日)



鳥の歌   4月


黙祷のチャペルに届く鳥の歌 (5日)

感謝祭生き抜く七面鳥の春 (7日)

赦されるのが悔しくて春の闇 (ユダのうらぎり 11日)

花の雨香りうつして彼を送る(香油を髪でぬぐう女 11日)

「いつ菓子が食べられるの」と受難節 (13日)

柳黄に煙り近づく復活祭 (13日)

明日花を咲かす水仙聖土曜 (15日)

この日突然の春になり鳥の歌 (15日)

芝青く朝日に結ぶ涙かな (20日)

木蓮に桃の香のある憂いかな (22日)

ぶらんこの毛虫に花は遠ざかる (23日)

踏まれては紫香る花すみれ (24日)

カッコウにうまく使われもうケッコウ! (25日)

不機嫌の黒猫いとし春のどか (28日)



風にのるしるし   5月


風に乗るしるし林檎の花香る (2日)

働かぬ蜂も蜂なり春うらら (2日)

働かぬハチは猫なりナナうらら (2日)

寝覚め心に取り残されて春の霧 (3日)

そっと切り出す春霞をお土産に (3日)

蛙鳴く井戸は深けりゃ狭いのか (8日)

追いつけぬ時追いかけて草むしり (10日)

春雨のたてるほこりのにおいかな (10日)

無意識に流れるミサは春の朝 (10日)

憶良らの宴に残せる檸檬かな (もずさんへ 12日)

末端は先端葡萄の苗植える (ヨハネ福音15:1-8 14日)



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